2011年3月11日。まだ大学生だった私も震災を経験しました。地震発生時は大学にいたため、指示に従って近くの避難場所に移動。そこで半日ほど過ごした後、当時ひとり暮らしをしていたアパートに戻るもライフラインは全滅。
食べ物や水も全く備えておらず、自力ではどうにもできない状況に。運良く被害のなかった友人宅でお世話になることができましたが、「備え」の大切さを痛感しました。
とまあ昔話はここまでにするとして、今回は我が家の「防災リュック」についてご紹介します。
今住んでいる地域は津波のリスクがかなり高いため、自宅には戻れないことを想定して準備してみました。「備え」の1例として参考にしていただけたら嬉しいです。
防災リュックを準備するにあたって。
- 避難場所までの距離とルートを確認。
- 避難所の備蓄品を確認。
- ネットやYouTubeで「防災リュックの中身」をひたすら調査。
- できるだけお金をかけない。
- でも安く揃えることを目的にしない。
- 災害時にしっかり機能するものを選ぶ。
- ネット情報を盲信せず、自分に必要なものを揃える。
防災リュック|ワークマン 防水メッセンジャーバッグ

- 容量:26L
- 価格:2,900円(2025年4月現在)
リュックはワークマンの防水モデルを選びました。容量もそこそこありますし、防災リュックとしては必要十分だと思います。
我が家は愛犬もペットリュックで連れ出すため、2人分をこのリュック1つにまとめました。ひとりがこのリュックを背負い、もうひとりがペットリュックを背負う予定です。
防災リュックの中身リスト(2人分)

リュックの重さは約10kg。津波の緊急避難場所(高台)まで小走りができて、指定避難所までは背負える重さを意識しています。
高台までは徒歩5分ほどなので、身軽さにはそこまでこだわりませんでした。
- 水(500mL×6本)
- 食料(一本満足バー×4、ソイジョイ×4、カロリーメイト×2箱、チョコ羊羹×5、マルチビタミン、inタブレット塩分+)
- タオル×2
- レインウェア上下×2
- 防刃手袋
- カラビナ、コードリール、ホイッスル
- レジャーシート
- 虫除けスプレー
- トイレットペーパー
- 非常用トイレ(袋、凝固剤×10)
- 目隠しポンチョ
- 携帯ラジオ
- モバイルバッテリー、充電器、ケーブル
- ライト×2
- 乾電池
- 衛生用品(絆創膏、アルコール除菌綿、ガーゼ、包帯、テープ、常備薬、爪切り、毛抜き、カミソリ、オールインワンジェル、歯磨き、ウェットティッシュ、生理用品)
- 安眠グッズ(ネックピロー×2、耳栓×2、アイマスク)
- アルミシート×2
- スリッパ×2
- ビニール袋
- 眼鏡
- サコッシュ(家の鍵、現金、ハサミ、マスク、油性ペン、メモ帳(連絡先を記載済み)、免許証・保険証・キャッシュカードのコピー)
- 給水バッグ 10L
なるべくジップロックで小分けしました。
- アクセスしやすくなる。
- 浸水から守れる。
- 圧縮できる。
- 水や食料の保管にも使える。

ここからは各アイテムについて詳しくご紹介していきます。
防災リュックの中身|アイテムと選んだ理由。
水

水は衛生面や使い勝手を考えて500mLで用意。
大人ひとりが1日に必要な水の量は約3Lだそうです。理想としては3日分ほど用意したいところですが、3L×3日×2人=18Lなので当然持ち出せません。
最悪の場合はひとり1日500mLで過ごすとして、500mL×3日×2人=3L分を入れることにしました。重さ的にもこれくらいが限界だと思います。
食料

- 1本満足バー×4本 ➡︎チョコは溶けるので「ベイクド」をチョイス。
- ソイジョイ×4本
- カロリーメイト×2箱(4袋)
- チョコ羊羹×5コ
- マルチビタミン
- inタブレット塩分+
- 水が必要ない
- すぐ食べれる
- 栄養価が高い
- かさばらない
- 一度で食べ切れる
高台に取り残されてしまった場合を想定して3日分を用意。ひとり1日2、3個で凌ぐ計算です。避難先では食料がない方もいるため、目立たずに素早く食べれるものが良いんだとか。
「マルチビタミン」は避難生活が長引いたときのために、「inタブレット塩分+」は夏場の脱水症対策で用意しました。
タオル

コンパクトで乾きが早いマイクロファイバータオルを2枚用意。大きすぎても小さすぎても使い勝手が悪そうだったので、30㎝×100㎝のスポーツサイズを選びました。首に巻いておけるので、両手を開けたいときにも便利そうかなと。
▼楽天で購入。
レインウェア

コンパクトになるポンチョ型が人気ですが、我が家はズボンとジャケットに分かれているものを用意。丈夫で動きやすく、いざという時には防寒着や衣類としても着用できます。こちらは自宅にあったもので済ませました。
防刃手袋

Seriaで片手110円で購入。災害時はガラスなどが飛散している可能性もあるため、軍手よりも怪我がしにくそうな防刃タイプを選びました。刃物でも切れないらしいです。
カラビナ・コードリール・ホイッスル

すぐ使えるようにリュックのベルトに取り付けています。カラビナとホイッスルは家にあったもので、リールはダイソーで購入しました。
レジャーシート

我が家は犬連れのため、屋外待機を想定して購入。レジャーシートとしてはもちろん、荷物や愛犬はレインウェアがないので、屋根代わりとしても使う予定です。こちらもダイソーで購入しました。
虫除けスプレー

先ほどもお伝えしましたが、屋外待機を想定して念の為。夏場以外は必要ないかもしれません。
トイレットペーパー

教科書通り芯を抜いて小さくしています。初めは5倍巻きを入れてみましたが、かさばる上に重かったので断念。
非常用トイレ・目隠しポンチョ

トイレに被せて使う袋と凝固剤のセットを10回分用意。トイレすらない状況もあり得ますが、そのときは目隠しポンチョを着て直接袋にすれば良いかなと。高台などの一次避難先で活躍してくれそうです。
携帯ラジオ

一時避難先の高台から避難所に移動するタイミングが難しそうだったので、津波の状況を把握する目的で購入。避難所で長時間使う予定はなかったので、コンパクトな電池タイプを選びました。
モバイルバッテリー・充電器・ケーブル

10000mAhとも迷いましたが、避難生活が長引くことも想定して20000mAhを選択。主にスマホの充電に使用する予定です。ただ災害時はネットや電話もつながりにくいでしょうし、出番は少ないかもしれませんね。
モバイルバッテリーをAmazonで購入し、充電器とケーブルは自宅にあったものを利用しました。
ライト

コンパクトタイプを2つ用意。ひとつは電池を入れた状態でリュックのベルトにぶら下げています。
十分明るいですし、ランタン代わりになるディフューザーが付属していたり、防水だったりと、小さいながらも優秀なライトです。
乾電池

ライトとラジオ用の乾電池。持ちの長い「エボルタネオ」を選びました。電池が必要なものは規格を揃えておくと使いまわせて便利だと思います。
衛生用品

- 絆創膏
- アルコール除菌綿
- ガーゼ
- 包帯
- テープ
- 爪切り
- 毛抜き
- ウェットティッシュ
- 常備薬(普段飲んでいるもの+解熱鎮痛剤)
- カミソリ
- オールインワンジェル
- 歯磨きセット×2
- 生理用品
絆創膏〜ウェットティッシュまでは全てダイソーとセリアで購入。初めはアルコール除菌綿ではなく消毒液でしたが、携帯性を重視して入れ替えることにしました。
ウェットティッシュは体拭きとしても使えるノンアルコールタイプを用意しています。
安眠グッズ

- ネックピロー×2
- 耳栓×2
- アイマスク
全てダイソーとセリアで購入。ここら辺は不要という意見も多いと思いますが、我が家は避難生活が長引く可能性が高いので…
エアー枕ではなくネックピローにした理由は、座ったままでも使えるのと、普段は旅行用としても使えるためです。若干不便ではありますが、普通の枕としても一応使えました。
アルミシート(レスキューシート)

カインズホームで購入。避難所に毛布が備蓄されているとはいえ、全員に行き渡るとは限りませんからね。寒さ対策は必須でしょう。
スリッパ

いただいたホテルのアメニティを活用。優先順位は低いかもしれませんが、3.11の経験から用意することにしました。
というのも、避難所の体育館の床がけっこう冷たかったんですよね。記憶が定かではないですが、トイレも靴下のままだったと思います。避難生活が長引いたときのことを考えると、意外と重宝するんじゃないかなと。
ビニール袋

ダイソーで購入。ゴミ袋や荷物入れとしても使えますし、汚れや水を防ぐことができたりと、用途は無限大。我が家はペットの汚物入れとしても欠かせません。
眼鏡

強度近視なのでこちらも必須。今は使ってない眼鏡をバッグの取り出しやすいポケットに入れています。ケースは無印の軽量なタイプを選びました。
サコッシュ

- 家の鍵
- 現金(10円、100円、1000円札で1万円分)
- ハサミ
- マスク
- 油性ペン
- メモ帳(必要な連絡先を記載済み)
- 免許証・保険証・キャッシュカードのコピー
貴重品だけ身につけて行動できるようにサコッシュも用意。バッグインバッグのようにリュックのフロントポケットに入れています。なんとこちらもダイソーで購入できました。
ペンはボールペンではなく油性ペンを選択。支給品に名前を書いたり、伝言を残したりする際にも使いやすいかなと。(機会があるかは分かりませんが…)
給水バッグ(10L)

最後まで必要か悩んだのが「給水バッグ」。避難先での使用があまり想像できなかったんですが、リュックのベルトにちょうど挟まったので「一応」といったところ。自宅が断水したときなんかは便利そうですが、避難先で使う機会ってあるんですかね?

防災リュックの中身|他に検討したもの。

検討したアイテムと採用しなかった理由についてもまとめました。
- ランタン:ライトで代用できる、かさばる
- カトラリー:用意した食料には必要ない、支給される食料にも必要ならついてくるはず
- アルファ米:避難所に備蓄されている、水が必要、すぐ食べれない
- 手回し発電機器(ライトやラジオ、モバイルバッテリーなど):使いたいときに使えない可能性がある
- エアーマット:高齢者に譲る未来しか見えなかった
- アルコール除菌ウェットティッシュ:除菌を気にする余裕がなさそう、体が拭けない
- シャンプーシート・ドライシャンプー:ウェットティッシュで代用できる(我慢)
まとめ|置き場所と期限チェックも万全に。

防災リュックはすぐ持ち出せるように玄関近くに置いています。我が家のように津波から避難する場合は一刻を争いますから、できるだけ玄関までの動線に準備しておいた方が良いでしょう。
また「水・食料・乾電池・常備薬」については、スマホのメモに期限リストを作成し、定期的に確認するようにしています。
【まとめ】
自分なりに考えて準備しましたが、人によって最適解は違うでしょうし、その時になってみないと正解は分からないのかもしれません。
正直なところ、命に直結する「備え」はほんの一部だと思います。でも防災リュックのおかげで災害への不安が少し減りましたし、意識を高めることもできました。最低限で済ませたい方は「水、食料、防寒着、ライト」だけでも備えておくと心強いと思います。
「備え」の一例として、今回の記事を少しでも活用していただけたら嬉しいです。最後までご覧いただき、ありがとうございました。